嫁さんの誕生日

嫁さんの誕生日が近づいていた。・・・・・刻一刻と。

僕はその事実から逃れられず固唾を飲んだ。

ーーーーー2021年、1月某日。

新年が明け、最高の年を送っていこうと決意した元旦から

早くも一週間が過ぎていいた。

「やべぇなぁ、金がねえや。」

俺は呟いた。

散々使い果たしたお金と、何かを人に与えるなど ”金” 以外でしたことない僕は、

心のもやもやとちょっとだけ苦しい気持ちでいた。

嫁の誕生日はもう近い。

思えば、初めてプレゼントをあげたあの日から

だんだんと毎年ランクは下がっていく。

おちていく、おちていく、降格していくプレゼント。

とけていく、とけていく、福沢諭吉がとけていく。

今年、完全に、つんだ。

もう謝ろうか。。コロナの影響でて言おうか。。。
パチンコ店に寄付したと言おうか。←それはダメぇ。

とにかく、考えろ。

こんなことがあっても毎年、何とか模索しクレカで買い物していた過去の俺よ。

どうしてくれるよ?(*´Д`)
もう、今年は使えねぞ、誰も頼れねぇど。駄菓子でも買ってくっけ?

いやいやー何かあるはずさ、そうさ、四半世紀は確実に生きてきた。

生きた証を作った。そうそうそう。そうだ!
嫁に出会う前。

路頭に迷った子羊はある資格を取りに行っていた。

「ハンドマッサージ」30万。←なんとゆうボッタ。
間違いなく取った。ポケモンのごとく。モンスターボールで。めっちゃかんたんや~ン(´_ゝ`)大丈夫ですかぁ

全くマッサージなどとゆう仕事をしたことは無い。いやしかし、苦渋の決断ではあったがこれで行こうと思えた。

昔、子供のころお母さんにあげていた肩たたき券のように。

発行してあげれば良いんだよ、そう簡単にね。

プリンターでチョチョイと。

ただで最高のプレゼントじゃねか!やまかぜ史上最高のプレゼントになりうる商品。

その名も
【マッサージ券】←まんまww
いやー、くるっと平和解決できたー。

そして、当日。

さっそく僕は目をギラギラさせ自信満々に瞳孔開かせ嫁に説明した。

「正直、今年の誕生日はプレゼントは何も買えなかった。」

期待していた嫁に反省の言葉を手向けた。

そして僕は話を続けプレゼントの内容をプレゼンした!

30分オイルマッサージ2枚に40分足つぼマッサージ2枚。

60分オイルマッサージ1枚そして90分全身オイルマッサージ1枚

さらに特典で脂肪燃焼コース60分を1枚追加でプレゼントいたします!と。

『全然足りんね・・・』

ーーーーーーーーーーーーーーー鶴の一声だ。

まるで桃鉄のボンビーがついてるように出た目の三倍になる的な感じで。

結果、なくなくプリンターで増刷した。

僕の中の自信というのは所詮こんなものだ痛感した日であった。

悔しさからマッサージの期限を設定した。4月末までと。

それからの僕らは、寝る前の一時間を

夫婦水入らずの時間とし、優雅なマッサージライフは始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー継続。

 

かぜさん、久々にY氏に会う。

こないだのこと。

家で晩御飯食べ終わって片付けして

嫁さんが皿洗って俺は子供たちと遊んでたら

「あ、排水溝のネットどこにある?」

って言うから、台所の下の棚とか周り見渡したけど

どこにもなくて

「なら、すぐ買ってきて」っていつものごとく

パシられる俺。

 

 

もう時間も20時近くて早く行かないと閉まるなぁ

と思いながら近くのスーパーに行って店の中の100円コーナーで

その網を見つけて購入した。

 

 

排水溝の網を無事に買えた安心感で颯爽と車に乗ろうとしたした

その時、

車の中に入るわずか一秒手前。

ドアを閉めるそのドアの向こうで

マスクしたちょっと太めのトレーナーを着た

マスクを深々とつけた奴がこっちみて立っていた。

 

 

 

一瞬、心臓がバクバクなりだし、逃げるかどうするか

迷っているその瞬間

奴「・・あっくん?」って。。。。

俺「nあdん、はいふえ@・・・」

どもりながら同時に外したマスクをもう一度深く付け直し

俺「はい?(´゚д゚`)」

よくよく見ればそれはY氏。

古い友人だった。

俺「おおぅ、うん。。。」

 Y「今仕事が終わって買い物しようとおもって」

俺「おぅん(´゚д゚`)」 

仲のいい友人であれば久々感のある

軽快なトークで広がる場面だが

口下手な俺と超絶口下手なY氏。

 

まったく会話にならん。

 

なんで声かけてきたンやン!?

気まずい時間ながれてるンやン!!

そのトレーナーどこで買ったンやン?!太すぎやン!って

 

 Y「S学会の活動はもうしていない」

 

Y氏は重い空気をさらに重くするキーワードを放っていた

 

そう、これは今から7、8年前。

当時、バリバリのど根性ガエルの活動家であった俺は

引っ込み思案なY氏を会員に入会させたことを思い出す。

 

Y「勤行をするべきか悩んでる」

 

切実な悩み!!!!

 

特にしていなくて悩んだりすることある?って聞いたら

 

Y「ない」

 

辞めちまえなよーーーーー!!ww

 

問題解決したじゃねえかって俺が誘ってるんだけど。ふくざつ('Д')

 

とにかく友人はコロナ渦にどはまりして家から一歩も出てないって

 

そこは一番心配してるぞ

 

もっと、おもてに出ていろんな人と話したりしようぜ。Y氏。

 

太めのトレーナーを着たその男は沈黙のまま

その場を後にした。

 

 

おわり